銀のスプーンの買取額を決める5つの要因!変色を防ぐお手入れ方法も紹介!
この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「銀のスプーンでどれくらいで買取してもらえるのかな?」
「銀のスプーン」と聞くと、裕福な家庭や特別な日に使うイメージを持つ方もいるのではないでしょうか?
普段使いする機会は少ないものの、贈答品としてもらったり、代々受け継がれてきたりして、自宅に眠っている…という方もいるかもしれません。
実は、銀は金やプラチナと同じく貴金属の一種。
使わずに眠らせておくよりも、買取に出すことで思いがけない高値が付く可能性も!
本記事では、銀のスプーンの買取相場や買取額アップのコツ、自宅でできるお手入れ方法までご紹介します。
■関連記事:【銀食器買取の秘訣】高額査定を引き出す3つのポイントと人気ブランドの相場」
1.銀のスプーンの買取額を決める5つのポイント!
銀のスプーンを少しでも高く買取ってもらうためには、査定基準を理解しておくことが大切です。
銀のスプーンの買取額は、以下の5つのポイントによって決まります。
1-1:純度
銀のスプーンを売却する際、買取価格を大きく左右するのが銀の「純度」です。
純度とは、銀の含有率を指し、「SV●●●」という刻印で表されます。
SV1000やSV925など、この数字が大きいほど純度が高くなり、買取価格も高くなる傾向にあります。
純度ほぼ100%の銀(SV1000)は非常に柔らかいため、スプーンとしての実用性に欠けます。
そこで、銅などの金属を混ぜて強度を上げています。
これらの金属は「割金」と呼ばれ、割金が多いほど強度は増しますが、銀の含有量が減るため買取価格は下がってしまいます。
銀製品の純度を示す刻印については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
■関連記事:【最新版】銀の買取価格を徹底調査!相場推移と高価買取の4つのコツ!
1-2:重さ
銀は貴金属の一つであるため、重いほど買取価格が高くなります。
銀のスプーンと一言で言っても、大きさや重さはさまざまです。
例えば、長さ約22cmと大きめの「サービングスプーン」は、重量が100g前後あるため、比較的高値での買取が期待できます。
一方で、「ティースプーン」など小ぶりなものは、30g前後と軽量であるため、単体での買取では大きな金額は期待できません。
クリストフルの公式HPにはカトラリーサイズガイドで、スプーンの種類毎の大きさがわかりやすく一覧化されています。
ご自身がお持ちのスプーンが、どの種類に該当するのか確認してみましょう!
1-3:銀の買取相場
銀のスプーンを売却する際には、最新の銀相場を把握しておくことが重要です。
なぜなら銀の価格は、国際情勢や需要と供給のバランスによって常に変動しているからです。
最新の買取相場は、貴金属買取業者のウェブサイトや専門の相場情報サイトで確認することができます。
これらのサイトでは、1gあたりの価格や、過去の価格推移などをわかりやすいグラフ等で確認することができます。
▶本記事執筆時の2024年12月16日の銀価格は1gあたり160円です。
現在、銀は金やプラチナと比べると、価格が低く推移しています。
銀のスプーン1本だと、査定額は正直期待できません…。
しかしながら、これはあくまでも「素材(銀)としての価値」のみで考えた場合の査定額です。
人気ブランドや希少価値の高いアンティーク品など、「製品としての価値」が評価された場合、思わぬ高額査定となる可能性も秘めています!
銀の相場だけで判断せずに、まずは査定に出してみることをおすすめします。
1-4:ブランドやメーカー
銀のスプーンの中には、世界中で愛される有名ブランドが製造・販売しているものがあります。
買取市場では以下のようなブランドが人気です。
- Christofle(クリストフル)
- Mappin&Webb(マッピン&ウェッブ)
- Georg Jensen(ジョージ ジェンセン)
- ERCUIS(エルキューイ)
- PUIFORCAT(ピュイフォルカ)
- 早川器物
- 上田銀器工芸
有名ブランドのシルバースプーンは、ブランド力やデザイン性、品質の高さも評価されるため、高価買取が期待できます。
1-5:付属品の有無や保存状態
銀のスプーンの買取価格は、その状態や付属品の有無によって変動します。
特に、ブランド品の銀のスプーンは買取後に再販されるケースが殆どであるため、再販時に高く売れるかどうかが買取価格に大きく影響します。
少しでも高く買取してもらうためには、箱やケース、保証書など購入時の付属品を揃え、できるだけ綺麗な状態で査定に出すことが重要です。
また、カトラリーセットの場合、スプーン単体よりもシリーズで揃えて売却した方が高価買取が期待できます。
コレクターや愛好家にとって、シリーズ物は魅力的な商品であり、需要が高いためです。
銀製品のお手入れ方法は3章で詳しく解説しますので、是非参考にしてください。
■画像引用:クリストフル ムード コーヒー エスプレッソスプーン6本セット
2.銀メッキのスプーンでも買取してもらえる?見分け方をチェック!
銀のスプーンの中には、銀メッキが施された製品も数多く存在します。
本章では、銀メッキ製品について、その価値や見分け方などを解説していきます。
2-1:シルバープレートとは
「シルバープレート」とは銀メッキの一種で、ニッケルや銅など、安価な金属の表面に、銀をコーティングしたものです。
「シルバーコーティング」とも呼ばれ、本物の銀製品に比べて安価に入手できるのが魅力です。
表面以外は合金を使用していますが、1ミクロン以上の厚みがあれば、十分な耐久性を備え長く愛用できます。
メッキ製品は、銀の含有量が極めて少ないため、純銀製品と比べると買取相場は低くなる傾向があります。
それでは、銀のメッキスプーンも買取してもらえないのでしょうか?
2-2:銀食器ブランドにはメッキ製品も多い
貴金属買取において、メッキ製品は敬遠されがちです。
薄いメッキ層から銀を取り出す手間とコストに見合わないため、買取を拒否されるケースが多いのが現状です。
しかし、だからといって、すべてのメッキ製品の価値が低いわけではありません。
例えば、銀食器ブランドの中には、銀メッキ製品でありながら、高い品質と人気を誇るものが存在します。
クリストフル製の「クリストフルシルバー」や、マッピン&ウェッブ社製の「マッピンプレート」といった技術は、一般的なシルバープレートよりも銀の層が厚く、高品質なシルバープレートとして人気があります。
これらのブランドの製品は、高値で取引されるケースもあるため、メッキ製だからと諦めずに専門業者に相談してみましょう!
2-3:本物の証「スターリングシルバー」
スターリングシルバーとは、銀の含有率が92.5%、残りの7.5%を銅などの他の金属で構成した合金のことです。
銀食器として最も一般的な種類であり、強度と美しさを兼ね備えていることから、世界中で広く愛用されています。
スターリングシルバー製の食器は、その価値の高さから中古市場でも高値で取引される傾向があり、コレクターの間でも人気があります。
2-4:刻印で見分けよう!
銀メッキ製を見分ける最も簡単な方法は、刻印をチェックすることです。
銀のスプーンには、純度や製造国、メーカーなどを示す刻印が打たれています。
また、「ホールマーク」と呼ばれる貴金属製品の品位証明が刻まれている場合もあります。
ホールマークは、産地や純度、年号、工房、徴税などを記したもので、製品の信頼性を保証するものです。
このような刻印がある製品は、銀食器の真贋性を判断する材料となり、買取価格にも影響します。
スターリング シルバーの刻印 | 「STERLING SILVER」 「STERLING」「925」 「SV925」「Ag925」 |
ホールマーク | 産地の刻印 | 「ライオン」…ロンドン 「碇」…バーミグガム 「バラ」「王冠」…シェフィールド |
純度の刻印 | 「ライオン」…純度約92% 「女神のブリタニア」…純度95% |
年号の刻印 | 検査を受けた年 |
工房の刻印 | 製造した工房名 |
徴税の刻印 | 納税時期 |
メッキ刻印 | 「PLATED」「E.P」 「NICKEL SILVER」 「SILVER F」「G SILVER」 「SP」「Sheffield Silver」 |
これらの刻印は、スプーンの持ち手部分の裏側に刻まれています。
特にメッキ刻印は種類が多いので、「ブランド名かと思ったらメッキ刻印だった!」という例も…。
査定前に一度確認してみましょう。
刻印がない場合でも、買取が不可能なわけではありませんが、査定に時間がかかったり、買取価格が低くなる可能性があります。
■画像引用:ROYAL SPOON
3.変色しやすい銀のスプーン、買取前に試したいお手入れ方法
「黒ずみがある銀のスプーンでも買取してもらえるの?」
大切に保管していたカトラリーセット、売却しようと思ったら全部変黒ずんでいる!なんてことはありませんか?
本章では、銀のスプーンが変色する理由や、買取前のお手入れ方法まで徹底解説します。
3-1:銀のスプーンが変色する理由
銀のスプーンが変色する主な原因は、空気中の硫黄成分との反応です。
空気中には微量の硫黄成分が含まれており、銀と反応すると硫化銀という物質が生成されます。
硫化銀は黒色であるため、銀の表面に付着すると黒ずんで見えてしまうのです。
また、銀は湿気にも弱いため、保管場所の湿度が高いと変色が進行しやすくなります。
3-2:変色した銀のスプーンは買取可能?
結論から申し上げると、変色したスプーンでも買取は可能です。
銀は、溶かして再利用できる性質を持っています。
買取業者は、変色したスプーンからでも、再精錬によって銀を取り出すことができるのです。
たとえ変色していても、装飾が欠けていても、問題なくその日の相場に応じた適正価格で買取してもらえます。
「壊れたスプーンを持ち込むのは気が引ける…」そう感じる方もいるかもしれません。
しかし、査定士はその道のプロです。
様々な状態の貴金属を査定することに慣れていますので、安心してお任せください!
3-3:保管方法
銀のスプーンを長く美しく保つためには、使用後のひと手間が大切です。
使用後は、まず柔らかい布で水気をしっかりと拭き取りましょう。
銀製品の黒ずみの大きな原因は、空気中の硫黄と反応することによる硫化です。
表面の水分を拭き取ることで、硫化を防ぐ効果があります。
そして、完全に乾燥させてから保管することが重要です。
また、ジップロックなどを使用して、空気に触れないようにするのも効果的です。
湿気も銀の大敵なので、乾燥材を一緒に入れておくこともオススメします。
3-4:お手入れ方法
銀のスプーンが変色してしまった場合は、以下の3つの方法でお手入れを試してみましょう。
◆重曹を使う方法
お湯に重曹を溶かし、重曹ペーストを作ります。
重曹ペーストを柔らかい布につけ、変色部分をやさしく磨きます。
水洗いした後、乾いた布でしっかりと水分を拭き取れば完了です。
◆アルミホイルを使う方法
耐熱容器の底にアルミホイルを敷き詰め、その上に重曹大匙1杯を入れます。
熱湯を注ぎ、変色した銀のスプーンを浸します。
この方法は、銀とアルミニウムの化学反応を利用したものです。
5分ほど経ったら、銀のスプーンを取り出し、水洗いした後、乾いた布でしっかりと水分を拭き取れば完了です。
◆シルバー専用クロスを使う方法
シルバー専用クロスは、銀製品の研磨剤を含んだクロスです。
製品の表面は傷つけず、黒ずみや汚れのみを除去することができます。
クロスで銀のスプーンの表面を優しく磨くことで、変色や汚れを落とすことができます。
まとめ
この記事では、銀のスプーンの買取相場や買取額アップのコツ、自宅でできるお手入れ方法までご紹介しました。
銀のスプーンは、純度や重さ、ブランド、状態、付属品の有無などによって買取価格が大きく変動します。
お手持ちの銀のスプーンを少しでも高く買取してもらう為には、信頼できる買取業者を見つけることも重要です。
「買取専門店諭吉」では米国宝石学会認定の「GIA G.G.」資格保有者がスタッフを教育し、他店にないトップクラスで信用・安心できる査定をしています。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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