「伊万里焼」と「鍋島焼」の違いとは?買取相場や投資価値を徹底解説!
この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「伊万里焼と鍋島焼って何が違うの?」「伊万里焼の歴史や価値について知りたい!」
伊万里焼と聞いて、あなたはどんな焼き物を思い浮かべますか?
繊細な染付、華やかな色絵、多様な文様…。
実は、伊万里焼の中には、さらに奥深い魅力を持つ焼き物が存在します。
それが、今回ご紹介する「鍋島焼」です。
本記事では、伊万里焼や鍋島焼の特徴や歴史的価値について解説していきます。
更に、現在の買取相場やおすすめの買取業者も併せてご紹介していきます。
是非、最後まで読んで、伊万里焼の知識をより深めてください!
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1:伊万里焼と鍋島焼の歴史
それでは早速、伊万里焼と鍋島焼について解説していきます。
そもそも伊万里焼とは何なのか、その起源から発展、鍋島藩の窯元の役割、鍋島焼と伊万里焼の違いなど、初心者向けに1から解説していきます。
1-1:伊万里焼の起源と発展
伊万里焼は、佐賀県有田町を中心に焼成されてきた磁器の総称です。
17世紀初頭、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、佐賀藩主・鍋島直茂が連れ帰った朝鮮人陶工・李参平が、1616年に有田町の泉山で陶石を発見したことが起源とされています。
当初は朝鮮式の陶磁器を模倣していましたが、次第に独自の技術や様式を発展させていきます。
1640年代には、伊万里港から国内外へ盛んに輸出されるようになり、その名は全国に広まりました。
江戸時代には、将軍家や大名家への献上品としても珍重され、高級品としての地位を確立していきます。
1-2:伊万里焼と鍋島焼の違い
江戸時代に佐賀・長崎県(肥前)で焼かれた磁器の総称が「伊万里焼」です。
伊万里津(港)から船で各地へ輸出されていったのが名前の由来とされています。
伊万里焼と鍋島焼の違いは、その製作場所、目的、品質にあります。
伊万里焼は、有田を中心とした地域で、広く一般庶民向けに大量生産されたのに対し、鍋島焼は、鍋島藩(佐賀藩)の直営窯である大川内窯のみで、藩主の命によって、献上品や贈答品といった特別な目的のために製作されました。
品質においても、鍋島焼は厳選された原料、高度な技術、そして洗練されたデザインによって、伊万里焼の中でも最高峰の品質を誇ります。
そのため、「鍋島様式」と呼ばれる独特の様式美を確立し、高い芸術性を持つ美術品としても評価されています。
1-3:鍋島焼の誕生と鍋島藩窯の役割
鍋島焼は、17世紀後半に誕生した伊万里焼の中でも、特に高級な磁器を指します。
佐賀藩の藩窯である大川内窯で、藩の御用焼物として製作され、厳重な管理体制の下、最高の技術を持つ職人たちが集められました。
原料の選定から、成形、絵付け、焼成に至るまで一切の妥協を許さない、まさに究極の美を追求した磁器を生み出しました。
2:伊万里焼(鍋島焼)の特徴を知ろう!
2-1:伊万里焼の種類
伊万里焼は、その長い歴史の中で、様々な種類が生まれました。
代表的なものとしては、初期の様式を色濃く残す「初期伊万里」、華やかな色彩と大胆な構図が特徴の「柿右衛門様式」、呉須と呼ばれる藍色の濃淡だけで絵付けをする「染付」、金彩を贅沢に使った「金襴手」などがあります。
2-2:鍋島焼のデザインと色使い
伊万里焼のデザインは、時代や様式によって大きく異なります。
初期には、中国や朝鮮の影響を受けたものが多かったのですが、次第に日本独自の風景や風俗、動植物などをモチーフにしたものが増えていきました。
色使いも、時代や様式によって変化し、初期の落ち着いた色調から、江戸時代中期以降は、より華やかで鮮やかな色彩が使われるようになりました。
特に洗練された絵付けが魅力の鍋島焼は、輪郭線からはみ出さず、一定の太さの線で描かれています。
■色絵蟹牡丹文皿(部分拡大)
画像参照:伊万里市役所
2-3:鍋島焼の大きさ
鍋島焼の特徴の一つに、その大きさがあります。
直径1尺(約30cm)、7寸(約21cm)、5寸(約15cm)、3寸(約9cm)の定まった大きさでつくられています。
一般的な伊万里焼と比較して、小ぶりなものが多く、これは献上品や贈答品として、床の間や書院などの限られた空間に飾ることを想定して作られたためと考えられています。
3:伊万里焼(鍋島焼)のコレクションとしての価値
3-1:鍋島焼が高い理由
鍋島焼は、その希少性と高い芸術性、歴史的価値から、非常に高い評価を受けています。
藩の御用窯という特殊な環境で、最高の技術と最高の素材を用いて製作された鍋島焼は、まさに「幻の焼き物」と呼ぶにふさわしい存在です。
3-2:鍋島焼の買取相場
鍋島焼は、限られた期間、限られた場所でしか製作されなかったため、現存する数は非常に少なく、市場に出回ることは滅多にありません。
そのため、希少価値が非常に高く、一点一点に高額な値が付けられています。
鍋島焼の買取相場は、作品の状態、大きさ、希少性、製作年代などによって大きく変動します。
一般的には、数十万円から数百万円で取引されることが多いですが、中には、数千万円を超える高額で買取されるケースもあります。
■鍋島焼の買取相場
十三代今右衛門 作『色鍋島篭花絵額皿』 | ~10,000円程 |
今泉今右衛門 本人作『色鍋島松竹梅文 香炉』 | ~40,000円程 |
鍋島焼花瓶 13代今泉今右衛門作 | 60,000~100,000円程 |
初期鍋島 染付皿 | 300,000~500,000円程 |
※大きさや状態、査定士の目利きによって異なりますので目安としてご覧ください。
3-3:伊万里焼と鍋島焼の現代における扱い
伊万里焼と鍋島焼は、現代においても、その美しさ、歴史的価値、そして希少性から、多くの人々を魅了し続けています。
美術館や博物館では、貴重な作品が展示されており、国内外から多くの観光客が訪れます。
また、近年では、現代のライフスタイルに合わせた、新しいデザインの伊万里焼や鍋島焼も製作されており、伝統を守りながらも時代に合わせて進化を続けています。
4:伊万里焼(鍋島焼)の買取に強い業者5選!
最後に、伊万里焼(鍋島焼)の買取に注力している骨董品買取業者をご紹介します。
伊万里焼などの骨董品の査定基準は、業者によって様々です。
そこで、しっかりと価値相応の鑑定ができる業者を選択する必要があります。
本章では、現役査定員の筆者が本当におすすめしたい業者を、下記の項目を基準に選出しました。
業者選びにお悩みの方は、是非参考にしてください。
4-1:買取専門店 諭吉 エレナ伊万里店
佐賀県伊万里市で骨董品の買取をご検討なら、現状「買取専門店諭吉」が圧倒的にオススメです。
- 年間買取数100万点以上の実績
- TVやCMなどのメディア多数露出
- ベテラン査定員の在籍者多数
- 4つの豊富な買取方法が選択可能
佐賀県以外にも、長崎県に6店舗、福岡県に1店舗展開しており、店頭買取は勿論、宅配買取や出張買取での対応も可能です。
また、全国47都道府県、毎月40か所以上の公共施設やスーパー等で催事買取も実施中!
プロの査定士がお客様の目の前で、1点1点丁寧に査定し、その場で即現金化いたします。
無料査定だけでも可能ですので是非ご利用ください。
住所 | 〒848-0031 佐賀県伊万里市二里町八谷搦1245 |
電話番号 | 0120-504-212 |
営業時間 | 10:00~19:00 |
定休日 | 夏季、年末年始 |
Google口コミ | -(-件の口コミ)※2024年11月3日オープン! |
店舗URL | 買取専門店 諭吉 エレナ伊万里店 |
4-2:日晃堂
日晃堂は全国区に出張買取エリアを持つ骨董品買取専門の業者です。
骨董品買取実績は約600点以上にものぼり、三川内焼や波佐見焼などの焼き物から、伊万里焼や有田焼、唐津焼などの陶磁器製品などの買取事例が多く存在します。
日晃堂の買取実績を見る
また日晃堂には、各ジャンルごとに専門査定員が在籍しているため、大切な伊万里焼を安心して売却できます。
日晃堂で伊万里焼を買取してもらう
4-3:なんぼや
なんぼやは全国区に店舗を展開する大手業者です。
そんななんぼやも伊万里焼買取に注力しており、買取実績も多数です。
骨董品の査定経験が豊富な鑑定士が品物の価値をしっかりと査定してくれます。
全国を対象に、宅配買取や出張買取サービスを利用することができます。
ホームページからLINE査定が可能なので、まずはおおよその買取額を問い合わせてみましょう!
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4-4:バイセル
CMをはじめとしたメディア露出で知っている人も多いでしょう。
バイセルは大手買取業者です。
独自の販売ルートから、「他店より1円でも安ければ全額返品」と宣言するほど高価買取が可能です。
出張買取が強みで全国にプロの査定員を配置しており、全国どこに住んでいてもプロの査定員が駆けつけてくれます。
バイセルを利用する際には、自宅にいたまま売却できる出張買取または宅配買取がおすすめです。
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4-5:古美術やかた
古美術やかたは京都祇園骨董街の老舗骨董店です。
NHKや一流のメディア取材も多く買取商品2000点を展示しています。
出張買取・宅配買取を日本全国で無料対応しています。
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まとめ
伊万里焼と鍋島焼は、どちらも日本の伝統工芸品として、世界中で高い評価を受けています。
その歴史や特徴、そして価値を理解することで、より深く楽しむことができます。
伊万里焼は、有田の地で育まれ、400年以上にわたって受け継がれてきた伝統の技です。
その美しさ、そして歴史的価値を再認識し、未来へと継承していくことが大切です。
特に、鍋島焼は美術品としての価値も高く、高額で取引されるケースも少なくありません。
もしお手元に鍋島焼と思われる焼き物があれば、専門の鑑定士に相談してみましょう!
最後までご覧いただきありがとうございました。