【パラジウムの最新相場】インゴット買取で押さえるべき3つのポイント!刻印の意味も
この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「パラジウムのインゴットってどれくらいで買取してもらえるの?」「刻印の意味が知りたい!」
近年、金やプラチナと並び、パラジウムを使ったインゴット投資が注目を集めています。
本記事では、パラジウムのインゴットの基礎知識から最新の買取相場を徹底解説いたします。
また、記事後半では、売却時に必要な証明書や税金についても解説します。
ぜひ最後まで読んで、投資の参考にしてください。
■関連記事:【貴金属買取の基礎知識】金やプラチナの最新買取相場と業者の選び方を徹底解説
1.パラジウムのインゴットとは?買取前に知りたい基礎知識
まずは、インゴットとはどのような製品なのか、製造されている種類や国内外のブランドについて解説していきます。
パラジウムに関する基礎知識は、以下の記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
■関連記事:パラジウムってどんな金属?用途や相場、買取額を決める5つの要素
1-1:インゴットとは
インゴットとは、パラジウムなどの貴金属を精製し、一定の形状に鋳造した塊のことです。
その形状から「延べ棒」とも呼ばれています。
パラジウムインゴットの場合、その純度は99.95%と非常に高純度であることが特徴です。
インゴットは、国際的に取引される資産価値の高い商品です。
株式や債券とは異なり、現物として保有できるため、資産価値の目減りリスクを抑えたい投資家から人気を集めています。
▲映画やドラマで見たことありませんか?金やプラチナ、シルバーのインゴットもあります。
1-2:重さの種類
インゴットは、多様な投資ニーズに応えるため、様々なサイズ(重量)で展開されています。
大きくは「ラージバー(12.5kg)」「キロバー(1kg)」「グラムバー(500g)」「スモールバー(500g未満)」に分類されます。
中でも、投資目的で最も一般的に取引されているのは「キロバー」と呼ばれる1kgのインゴットです。
また、スモールバーは、1g、2g、5g、10g、20g、50g、100gなど幅広い重量が用意されており、少額から投資を始めたい方に最適です。
このように、インゴットは豊富なサイズ展開が魅力の一つですが、ブランドによって取り扱う重さは異なります。中には、顧客の要望に応じて、特注の重量や形状のインゴットを製造するブランドも存在します。
1-3:グッドデリバリーバーとは
パラジウムのインゴットには、プラチナ・パラジウムの国際的な認定機関であるLPPMの審査をクリアした「国際公式ブランド」が存在します。
このような世界基準で品質保証がされるインゴットを「グッドデリバリーバー(GDB:Good Delivery Bars)」と呼びます。
国際公式ブランドのインゴットは、世界中のインゴット取引市場で取引が可能です。
そのため、買取の際にも有利に働く可能性があります。
代表的な国際公式ブランドとしては、以下のブランドが挙げられます。
国内ブランド
三菱マテリアル(株) | 田中貴金属工業(株) |
(株)徳力本店3 | アサヒプリテック(株) |
石福金属興業(株) | (株)ジャパンエナジー |
三井金属鉱業(株) | 住友金属鉱山(株) |
DOWAメタルマイン(株) | 松田産業(株) |
(株)ヒラコ | |
海外ブランド
CREDIT SUISS <スイス> | ALMAS <ロシア> |
COMPTOIR LYON ALEMAND LOUYOT <フランス> |
DEGUSSA <ドイツ> | ENGELHARD (U.S.A.) <アメリカ> |
ENGELHARD (LONDON) <イギリス> | ENGELHARD->CLAL (NEW YORK) <アメリカ> |
ENGELHARD-CLAL (LONDON) <イギリス> | ENGELHARD-CLAL (PARIS) <フランス> |
JOHNSON MATTHEY (U.S.A.) <アメリカ> | JOHNSON MATTHEY (UK) <イギリス> |
P.G.P. <アメリカ> | WESTERN PLATINUM <南アフリカ> |
■関連サイト:London Platinum and Palladium Market
1-4:パラジウムインゴットとPd1000の違い
パラジウムインゴットもPd1000も、ほぼ100%のパラジウムでできており、純度の面では大きな違いはありません。
しかし、品質保証という意味合いが異なります。
Pd1000は、アクセサリーやコインなどに使われるパラジウムを指し、「スクラップ価格」で取引されます。
一方、パラジウムインゴットは、国際的に認められた品質保証がされているため、国際市場において「インゴット価格」で取引されます。
そのため、一般的にPd1000よりもインゴットの方が価値が高くなります。
2.【パラジウムの最新相場】インゴット買取前に要チェック!
最高純度のパラジウムで鋳造されたインゴット、いったいどれくらいで買取してもらえるのか気になりますよね!
本章では、買取相場の調べ方や具体的な買取額の計算方法、そして今後の相場動向などを解説していきます。
2-1:最新の買取相場の調べ方
パラジウムインゴットの買取価格はその日の相場によって変動します。
貴金属の相場は、世界情勢や産業需要の影響を受け日々変動するので、高値で売却するためには、最新の相場情報を常に把握しておく必要があります。
ネットジャパンでは、パラジウムのインゴット価格が毎日更新されており、過去の価格推移なども表でわかりやすく掲載されています。
■画像引用:ネットジャパン|本日の買取価格(一般向け)
2-2:買取額の計算方法
パラジウムインゴットの買取額は、以下の計算式で予測できます。
『重量×インゴットの買取相場=買取額』
例えば、本記事執筆中の2024年12月26日のパラジウムのインゴット価格は1gあたり4,752円です。
お手持ちのインゴットがキロバー(1kg)だった場合、1,000g×4,752円/g=4,752,000円の買取額となります。
手のひらサイズのバー1つで、470万円とは驚きですよね!
資産価値としての高さがお解りいただけたかと思います。
2-3:パラジウムの売り時
パラジウムインゴットの売却に最適なタイミングは、相場が高い時ですが、その予測は容易ではありません。
パラジウム相場は、自動車産業の景気やロシアの売却動向、為替の影響を受け変動します。
特に、自動車の排ガス浄化装置に不可欠なパラジウムは、自動車産業の動向と密接に関係しています。
近年、世界的な環境規制の強化によりパラジウム需要は高まりましたが、反面、電気自動車への移行が急速に進めば、将来的には需要減退の可能性も孕んでいます。
過去のプラチナ価格の急落は、自動車業界の技術革新が貴金属市場に大きな影響を与えることを示す一例です。
パラジウムも同様のリスクを抱えており、価格暴落の可能性を常に考慮しておく必要があります。
3.パラジウムインゴットの証となる5つの刻印
パラジウムインゴットには以下の刻印が必ず刻まれています。
素材や純度、品質、ブランドを証明する大切な証なので、刻印の有無は査定額にも影響を及ぼします。
3-1:商標
パラジウムインゴットに刻まれる商標の刻印は、単なるブランド表示ではなく、国際的な信用を背負う証です。
製造元であるブランドやメーカーを示すだけでなく、LPPMの厳格な審査をクリアした「国際公式ブランド」であることを証明する重要な要素となります。
下記は、主要な公式国際ブランドの商標を示す刻印です。
■画像引用:ネットジャパン
3-2:素材表示
インゴットに使われている素材を示す刻印です。
パラジウムインゴットの場合は、純パラジウムを意味する「PALLADIUM」という文字が刻まれています。
3-3:品位表示
インゴットに含まれるパラジウムの純度が数字で刻まれています。
金の場合は「999.9(フォーナイン)」が刻まれていますが、パラジウムの場合は99.95%が最高品位なので、「999.5」と刻まれています。
同じインゴットでも素材によって刻印される純度が異なる点に注意が必要です。
資産運用で様々なインゴットの保有を検討している場合は、最高品位の違いも覚えておくとよいでしょう。
3-4:重量表示
1章でご紹介した通り、インゴットは様々な重さで展開されています。
一般的にはグラム表記で重さの刻印が刻まれますが、中には「1 KILO」「oz(オンス)」で表記されている製品も存在します。
ちなみにパラジウムにおける1ozは31.1gなので、買取額の計算時にお役立てください。
3-5:製造番号(シリアルナンバー)
インゴットには、「製造番号(地金番号)」と呼ばれる固有のシリアルナンバーが刻印されています。
これは、製造されるインゴット一つひとつに割り当てられる、いわばインゴットの“指紋”のようなものです。
世界に全く同じ番号は存在せず、厳格に管理されています。
この製造番号は、偽造インゴットの識別にも役立ちます。
もし同じ番号のインゴットが見つかった場合、少なくとも一方は偽物と判断できるからです。
このように、製造番号はインゴットの真贋を見極める上で重要な役割を果たしています。
■画像引用:日本マテリアル
Q.刻印が確認できなくても買取してもらえるの?
パラジウムは貴金属の中でも随一の硬度を誇る金属ですが、長年の保管や経年劣化によって、インゴットの刻印が薄れたり、消えてしまうことがあります。
刻印は、インゴットの品質や信頼性を保証する上で非常に重要なものです。
刻印が確認できない場合、買取価格が下がったり、買取自体を拒否される可能性もあるでしょう。
ただし、専門の買取業者であれば、成分分析などの方法で、インゴットの真贋や純度を鑑定できる場合があります。
刻印がないインゴットを売却する場合は、事前に複数の買取業者に相談することをおすすめします。
4.パラジウムのインゴット買取時の3つの注意点
高額なインゴットを売却する際に注意したいのが、必要な証明書や税金の有無です。
本章では、様々なパターンに応じて必要な証明書や、税金について解説していきます。
4-1:身分証明書とマイナンバーの必要性
パラジウムインゴットの売却時は、身分証明書の提示が必要です。
買取業者によって、証明書の規定は様々ですが、一般的に下記に該当するものが身分証として認められます。
・運転免許証
・健康保険証(住所の記載があるもの)
・パスポート(2020年2月4日以降に申請されたものは不可)在留カード
・住民基本台帳カード
・敬老乗車証
・身体障害者手帳
また、地金売却時の買取額が200万円を超える場合、上記の身分証明書に加えて、マイナンバーカードの提示も必要になります。
買取額が1度に200万円以上となった場合、買取業者は支払調書という書類を作成し税務署に提出する義務があり、手続きに売却者のマイナンバーが必要となるからです。
事前に必要な証明書を確認しておくことで、スムーズに買取が進みますよ!
4-2:譲渡所得税
個人で保有するパラジウムインゴットを売却し、利益(譲渡益)が出た場合、「譲渡所得」として税金の対象となります。
ただし、年間50万円の特別控除が適用されるため、利益が50万円以下の場合は課税されません。
この場合の利益は、買取額からインゴットの購入代金と売却にかかった経費(売却手数料など)を差し引いた金額となります。
譲渡所得税の税率は、インゴットの所有期間が5年を超えるかどうかで異なり、短期譲渡所得と長期譲渡所得に区分されます。
高額なインゴットを売却する際は、譲渡所得税の発生も考慮し、年間の売却量を調整する必要があるでしょう。
また、インゴット購入時の「購入証明書」は、購入代金や購入日を証明する重要な書類となります。
税金の計算にも必要となるため、大切に保管しておきましょう。
4-3:確定申告
給与所得者の場合、通常、会社が年末調整を行うため、確定申告は不要です。
しかし、パラジウムインゴット売却による利益が発生した場合、状況が変わります。
パラジウム売却益は譲渡所得に分類されるため、給与以外の所得が年間20万円を超える場合、ご自身での確定申告が義務付けられています。
確定申告が必要かどうか判断に迷う場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
ご自身の状況に合わせた適切なアドバイスを受けることができますよ。
まとめ
- 金・プラチナ同様、パラジウムインゴットも現物資産として注目されている
- 公式国際ブランドのインゴットは信頼性が高くインゴット価格で取引される
- パラジウムインゴットの刻印は純度や重量の真贋を証明する為、査定にも影響する
- インゴット売却時に必要な証明書や税金について事前に把握しておく必要がある
- パラジウムインゴットを売却する際には、専門の買取業者に査定を依頼する
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