プラチナメッキ製品の買取|本物と偽物を見分ける4つの方法!
この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「プラチナ製品の表面が剥げてるけど、これってメッキ?」「プラチナのメッキ製品でも買取してもらえるの?」
指輪やネックレスなど、キラキラと美しい白銀の輝きを持つプラチナ。
しかし、純粋なプラチナは非常に高価なため、手軽に購入できるものではありません。
そこで注目されるのが、プラチナメッキ製品です。
金メッキや金張りと比べて耳慣れないかもしれませんが、プラチナメッキは、手頃な価格でプラチナの美しさを楽しめる魅力的な選択肢です。
本記事ではプラチナメッキの特徴から見分け方、買取に関する情報まで詳しく解説します。
是非、最後までご覧ください。
■関連記事:【貴金属買取の基礎知識】金やプラチナの最新買取相場と業者の選び方を徹底解説
1.プラチナメッキ製品は買取してもらえるの?
プラチナは、地球上で限られた場所にしか存在しない、貴金属の中でも最高峰の希少性を誇ります。
その輝きは、宝飾品として人々を魅了するだけでなく、医療器具や自動車の排ガス浄化装置など、様々な分野で活躍しています。
特に、婚約指輪や結婚指輪の素材として絶大な人気を誇り、金と肩を並べる高級品の代名詞と言えるでしょう。
それでは、プラチナ「メッキ」でも同等の価値があるのでしょうか?
■関連記事:プラチナを売る前に知りたい基礎知識!買取相場や高く売る3つの方法も!
1-2.そもそもメッキ製品とは?
プラチナメッキとは、金属の表面に、ごく薄いプラチナの層をコーティングする技術です。
この技術により、素材そのものの価格を抑えながらも、プラチナ特有の高級感と美しさを演出できます。
最大の魅力は、そのコストパフォーマンスにあります。
高価なプラチナを全体に使用することなく、表面に施すだけなので、リーズナブルな価格で製品化が可能になるのです。
さらに、プラチナは、錆びや変色に強いという特性を持っています。
そのため、プラチナメッキを施すことで、製品の美しさを長く保ち、劣化を防ぐ効果も期待できます。
美しい輝き、優れた耐久性、そして手頃な価格…プラチナメッキは、まさに三拍子揃った表面処理技術と言えるでしょう。
1-3.【結論】メッキ製品の買取は難しい場合が多い
結論から申し上げると、メッキ製品は「プラチナ」として買取してもらうことは難しいでしょう。
メッキの層は非常に薄いため、買取業者にとってプラチナを取り出す手間とコストに見合わないためです。
しかしながら、「製品」としての価値があれば、買取してもらえる可能性は残されています。
メッキ製品でも高価買取が狙える製品に関しては、3章で詳しく解説していきます。
2.プラチナメッキ製品を見分ける4つの方法!
1章では、本物のプラチナ製品とプラチナメッキでは価値が全く異なることを解説しました。
とは言え、お手持ちの製品の真贋を見極めるのは、なかなか難しいもの。
本章では、プラチナメッキ製品を見分ける4つのポイントをご紹介いたします。
2-1.メッキ加工が多い製品
代表的なものは、ネックレスや指輪、ピアスなどのアクセサリー類です。
また、メガネのフレームやジッポ、腕時計、管楽器のパーツ(サックスのネックなど)にもプラチナメッキ加工が施されていることがあります。
価格が手頃なため、ファッションやシーンに合わせて気軽に身に着けられます。
また、メッキ加工は、変色や腐食への耐性も高める効果があります。
そのため、お手入れが比較的簡単で、美しい状態を長く保てることも人気の理由です。
2-2.刻印で見分ける
プラチナ製品には、素材や純度を示す刻印がされている場合があります。
■プラチナの刻印の種類
純度 | 刻印 |
ほぼ100% (99.95%以上) | Pt1000、Pt999、Pm1000、 1000、999、PLATINUM |
95% | Pt950、Pm950、950 |
90% | Pt900、Pm900、900 |
85% | Pt850、Pm850、850、Pt |
およそ85% | Pm |
ホールマーク (造幣局が管理する信頼性の高い刻印) | |
上記のような刻印が刻まれていれば、本物のプラチナである可能性が高まります。
同様に、メッキ製品にも専用の刻印が存在します。
■プラチナメッキの刻印
メッキの刻印 | 詳細 |
PR | PLATINUM ROLLED (プラチナ ロール) プラチナ張り |
PTF | PLATINUM FILLED (プラチナ フィールド) プラチナ張り |
P、PP、PTP | PLATINUM PLATED (プラチナ プレーテッド) プラチナメッキ |
メッキ刻印の場合は、「Pt850 PR」「Pt900 PTF」といったように純度を示す刻印の横に刻まれる事が多いです。
肉眼では確認しづらい場合は、虫眼鏡を使うと良いでしょう。
■画像引用:イヤーズ
2-3.磁石テスト
プラチナは、磁性が非常に弱いため、一般的には磁石に反応しないと考えられています。
一方、プラチナメッキ製品のベース金属には、磁性を持つ金属(例:ニッケル)が使用されていることが多いため、磁石に反応する可能性があります。
もし製品が磁石に引き寄せられた場合、それはプラチナメッキ製品である可能性が高いです。
ただし、銀などのプラチナ以外の非磁性金属がベース金属として使用されている場合、この方法では判別できません。
したがって、磁石による方法は完全に信頼できるものではありませんが、簡単に行える予備的なテストとして有用です。
より確実な判断のためには、他の方法と組み合わせて使用することをおすすめします。
2-4.試金石を使う
試金石を使用する方法は、プラチナメッキ製品を見分けるための最も信頼性の高い方法の一つです。
この方法は、専門家や宝石商が頻繁に使用する技術ですが、正しい知識と経験があれば、個人でも行うことができます。
【試金石を使用する手順】
①テストしたい製品の目立たない部分を試金石にこすりつけ、金属の跡を付けます。
②専用の試薬(プラチナ用の酸)を跡に塗布します。
③反応を観察します。
プラチナの場合、跡は試薬を塗布しても変化しません。
一方、プラチナメッキ製品の場合、ベースの金属が露出し、試薬と反応して色が変化したり、跡が消えたりします。
ただし、この方法にも注意点があります。
テスト部分に小さな傷がつくため、貴重な製品や再販を目的とした買取には適していません。
また、正確な判定には経験と専門知識が必要です。
これらの理由から、試金石による方法は通常、専門家に依頼することをおすすめします。
3.プラチナメッキでも高く売れる製品の4つの特徴!
2章の方法を試して、メッキ製品だったことが判明しても、諦めるのはまだ早いです!
実は、プラチナメッキ製品でも、以下の特徴を持つものは比較的高値で買取される可能性があります。
3-1.宝石が付いている物
プラチナメッキ製品は、素材としての価値は低いものの、高価買取の可能性を秘めた「お宝」に変身することがあります。
その鍵を握るのが宝石です。
ダイヤモンドやエメラルドなど、価値の高い宝石が使用されているメッキジュエリーは、高額査定が期待できます。
なぜなら、宝石買取を専門に行う業者や、ジュエリーを総合的に買取する業者であれば、宝石そのものの価値を適切に評価してくれるからです。
もちろん、高価な宝石にプラチナメッキが使われているケースは稀ですが、ゼロとは言い切れません。
「メッキだから宝石も偽物だろう…」と決めつける前に、まずは一度、信頼できる買取業者に査定を依頼してみましょう。
3-2.デザイン性や希少性が優れたもの
プラチナメッキ製品でも、著名なデザイナーが手掛けたアクセサリーや、限定生産された腕時計など、デザイン性や希少性に優れたアイテムは、コレクターから熱い視線を浴びています。
彼らは、素材がプラチナであろうとメッキであろうと、お構いなし!
一点物の価値に魅了され、高値での取引に応じることも珍しくありません。
さらに、流行を捉えたお洒落なデザインのメッキ製品も、買取市場で人気を集めています。
ただし、流行は移り変わるもの…デザイン性の価値を最大限に活かしたいのであれば、新しいモデルが発売される前に、早めに売却するのが賢明です。
3-3.人気ブランド品
プラチナメッキ製品でも、有名ブランド品であれば高価買取が期待できます。
例えば、ディオールやシャネル、エルメスのメッキジュエリーは、素材としての価値ではなく、ブランドとしての価値を評価してもらえるため、高値がつきやすいです。
もし、お手元に有名ブランドのメッキ製品があり、売却を検討されている場合は、ブランド買取にも強い業者に査定を依頼することをおすすめします。
3-4.アンティーク価値のあるもの
プラチナメッキのジュエリーの中でも、アンティーク品は希少価値が高く、コレクター垂涎のお宝となりえます。特に歴史的価値を有する品は、高額査定が期待できます。
しかし、アンティーク品の真価を見極めるには、専門知識が欠かせません。
もし、買取店で納得のいく価格が得られなかった場合は、オークションサイトへの出品を検討してみましょう。
コレクターが集うオークションサイトでは、予想を上回る高値で落札される可能性もあります。
ただし、アンティーク品の状態は価格に大きく影響します。長年の保管状態によっては、劣化や破損が見られる場合もあるでしょう。
少しでも高価買取を狙うなら、日頃から丁寧に取り扱い、保管することが大切です。
まとめ
プラチナメッキ製品は、本物のプラチナ製品と比べて買取価格が低くなる傾向がありますが、条件によっては高値で買取される可能性もあります。
製品が本物のプラチナかメッキかを見分けるには、刻印の確認、磁石テスト、試金石の使用などの方法があります。
それでも判断が難しい場合には、専門家による鑑定や、適切な買取店の選択が重要です。
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。