ロレックスの「アフターダイヤ」は買取できる?純正と見分ける3つの方法!

この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「ロレックスのアフターダイヤって買取してもらえるの?」
高級腕時計の代名詞とも言えるロレックス。
その人気は高く、近年資産価値としても注目されています。
そんなロレックスをさらにゴージャスに演出するのが、「アフターダイヤ」というカスタムです。
「ダイヤモンドが付いている分、更に高額買取が狙えるのでは!?」と期待する方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、そんなアフターダイヤが施されたロレックスに焦点を当てて、買取の可能性やメリット・デメリット、更にはオリジナルとの見分け方も解説していきます。
是非、最後までご覧ください!
■関連記事:ロレックス買取相場【2025年最新版】プロが教える!買取額を決める5つの要素
1.ロレックスの「アフターダイヤ」とは?

まずは、アフターダイヤとはどのようなカスタムのことを指すのか、特徴や種類を解説していきます。
1-1:アフターダイヤの定義
「アフターダイヤ」とは、元々宝石が付いていない時計やアクセサリーに、後からダイヤモンドなどを加えるカスタマイズのことです。
例えば、シンプルなデザインのロレックスの時計に、ダイヤモンドをあしらうことで、より華やかで個性的な印象を与えることができます。
アフターダイヤのカスタマイズを専門に行う業者などで施してもらうことが可能です。
一方、ロレックスが公式に販売している、最初からダイヤモンドや宝石があしらわれたモデルは「純正ダイヤ」と呼ばれ、明確に区別さています。
1-2:加工の種類
ロレックスのアフターダイヤの加工方法は多岐にわたります。
例えば、ベゼル部分にダイヤモンドをぐるりと敷き詰めて豪華さを演出したり、文字盤のインデックスにダイヤモンドを配置して華やかさを加えたりと、様々なカスタマイズが可能です。
ベルトにダイヤモンドをセッティングするなど、大胆なアレンジを楽しむこともできます。
金属の爪でダイヤモンドを固定する方法。
最も一般的で、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すことができます。
小さなダイヤモンドを隙間なく敷き詰める方法。
ゴージャスでラグジュアリーな印象を与えます。
金属に彫刻を施し、そこにダイヤモンドを埋め込む方法。
立体感があり、個性的なデザインに仕上がります。

■画像引用:jewelry Automatic
金無垢デイデイトの加工事例
1-3:メリット
アフターダイヤの最大のメリットは、自分好みのデザインにカスタマイズできる点にあります。
ダイヤモンドの数や大きさ、配置などを自由に決められるため、世界に一つだけのオリジナルロレックスを作ることが可能です。
また、「純正ダイヤモデル」は、高額な価格設定がネックとなる場合がありますが、ダイヤモンドが装飾されていない製品を購入し、後からダイヤモンドを装飾することで、コストを抑えられるというメリットもあります。
アフターダイヤは、ゴールドやプラチナなどの貴金属との相性が抜群です。
特に、金無垢のロレックス デイデイトは、アフターダイヤのベースとして高い人気を誇ります。

金無垢デイデイト36(Ref.18238)
2.ロレックスのアフターダイヤは買取してもらえる?デメリットを徹底解説

煌びやかなカスタムが施されたアフターダイヤのロレックスは買取してもらえるのでしょうか?
本章では、アフターダイヤのデメリットにもあえて焦点を絞り、ご紹介していきます。
2-1:【結論】アフターダイヤの買取は難しい
結論から言うと、アフターダイヤのロレックスを買取してもらうことは難しいです。
ロレックスは、たとえ不動品や破損品であっても、そのブランド力と人気から買取を受け付けてもらえることが多い高級時計です。
しかし、カスタマイズが施されたロレックスは、たとえ本物であっても、多くの買取業者で断られてしまう可能性が高いでしょう。
次項からは、買取が難しい理由を解説していきます。
■関連記事:ロレックスなのに買取不可!?その理由と偽物を見破る5つの特徴を徹底解説!
2-2:理由①純正製品ではなくなるから
ロレックスは、スイスの厳しい品質基準のもとで製造されている高級腕時計です。
そのため、正規店以外で行われた改造は、ブランドの価値を損なう行為とみなされ、純正製品としての価値を失うことになります。
アフターダイヤなどのカスタムも例外ではなく、ロレックス正規店では「後付け加工」と見なされ、本来の価値を損なったと判断されます。
よって、業者でも買取を拒否されるか、買取価格が大幅に下がる可能性が高まります。
ロレックスの価値を維持するためには、正規店での購入とメンテナンスを徹底し、改造は避けることが重要です。
★Point…アフターダイヤが施されたロレックスは、正規の保証や修理(オーバーホール)も受けることができなくなります。
2-3:理由②国内の業者間で取引ができないから
かつて、アフターダイヤのロレックスは、中古市場で人気を博し、多くの数が流通していました。
しかし、2018年頃を境に状況は一変します。
ロレックスが、改造時計の取引禁止を古物市場に通告したことがきっかけです。
これを受け、国内の大手業者向けオークションが、アフターダイヤのロレックスの取引を禁止。
買取業者は再販ルートを失い、買取を停止せざるを得なくなったのです。
この出来事は、2018年5月のリサイクル通信に詳細が記載されています。
併せてご覧ください。
■参考記事:リユース経済新聞|ロレックス「改造時計」取扱禁止を古物市場に通告 今後出品不可に
2-4:理由③修理が難しいから
前述した通り、アフターダイヤが施されたロレックスは、原則として買取不可となります。
しかし、交換可能なパーツだけに装飾が施されている場合は、業者によっては修理でオリジナルの状態に戻し、再販する場合もあります。
ただし、ダイヤモンドをセッティングする際に、時計本体に傷がつけられていたり、部品が交換されていたりすると、修理費用が高額になるため、買取価格は大幅に下落します。
場合によっては、買取不可となる可能性も高まります。
つまり、アフターダイヤのロレックスは、たとえ買取してもらえたとしても、大幅な価値低下は避けられないと言えるでしょう。
3.ロレックス「アフターダイヤ」を見分ける3つの方法!

ロレックスには、オリジナルで元からダイヤが付いているモデルも多く、アフターダイヤと見分けがつきにくい場合もあります。
本章では、アフターダイヤが施されたロレックスの特徴を3つご紹介します!
お手持ちのロレックスが改造品かどうか解らない場合にご活用ください。
3-1:ダイヤの爪
アフターダイヤと純正ダイヤを見分けるポイントの一つに、「爪」があります。
これは、ダイヤモンドを時計に固定するための小さな金属部分のことです。
純正ダイヤの場合、ロレックスの厳しい品質基準のもと、精巧に作られた爪が使われています。
滑らかで均一な形状をしており、ダイヤモンドを美しく、かつしっかりと固定しています。
一方、アフターダイヤでは、技術や品質管理が十分でない場合が多く、爪の形状が不揃いだったり、仕上がりが雑だったりすることがあります。
また、金属の質感が違っていたり、サイズが合っていなかったりと、細部を見ると様々な違いが見えてきます。
爪の仕上がりの美しさは、時計全体の印象を左右する重要な要素です。
3-2:ダイヤの品質
ロレックスの輝きを左右するダイヤモンド。
純正とアフターダイヤでは、その品質に明確な違いが見られます。
純正ダイヤは、厳しい品質基準をクリアした、厳選された高品質ダイヤモンドのみを使用しています。
カットやクラリティ、カラーなどが優れており、美しい輝きを放ちます。
一方、アフターダイヤに使われるダイヤモンドは、品質が劣るケースが目立ちます。
輝きが鈍く、内包物や不純物が多く含まれていることも少なくありません。
専門家が見ればすぐに見抜くことができます。
3-3:ダイヤの統一性
ダイヤモンドの統一性も、アフターダイヤを見分ける際に注目すべき点です。
純正ダイヤは、全てのダイヤモンドのカットやサイズ、輝きが揃っており、統一感のある美しさを放っています。
一方、アフターダイヤは後から付け足されたダイヤモンドであるがゆえに、統一感がなく、チグハグな印象を与えてしまうことがあります。
例えば、時計の12時位置にあるインデックスのダイヤモンドは美しく輝いていても、6時位置のダイヤモンドは輝きが鈍く、内包物が目立つ…といったように、場所によって品質が異なる場合があります。
時計全体でダイヤモンドの品質が均一であるかは、アフターダイヤと純正ダイヤを見分ける上での重要なポイントです。
まとめ

本記事では、アフターダイヤが施されたロレックスの「買取の可能性」について紐解いていきました。
🌟アフターダイヤとは、
ダイヤモンドを後付けするカスタマイズのこと
🌟アフターダイヤのロレックスは
買取不可となる場合が多い
🌟オリジナルであることが
純正ロレックスの証
アフターダイヤは、個性を演出できる魅力的なカスタマイズではありますが、買取価格への影響やブランド価値の低下など、デメリットがあることも理解しておく必要があります。
とはいえ、世界に1つとしてないオリジナルデザインのロレックスは夢がありますよね!
メリットとデメリットを比較し、ご自身の納得いく形でロレックスを楽しみましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。