古伊万里の大皿の相場はどれくらい?高く売るコツとおすすめ買取業者
この記事を書いた人
柳田 淳一
鑑定士歴15年の大ベテラン。買取諭吉へ入社後、協会基準判定士、JBSジュエリー鑑定士、GIAの資格を取得。
現在は買取専門店諭吉の店長を務める大黒柱的存在。
日本国内に数多く存在するリサイクルショップの中で「本当に信頼できる」「本当に相場以上の買取ができる」ショップを忖度なしで紹介することをモットーに情報発信を行っている。
「古伊万里の大皿の相場はどれくらい?」
「古伊万里の大皿を売りたいけど、安く買い叩かれたくない…。」
古伊万里を価値相応の価格帯で売却するためには自身での買取相場の把握は必須です。
古伊万里の価値は様々な要素が絡み合って決定されます。
大皿に至っては年代や様式によっては驚きの価格が付くことも珍しくありません。
そこで、本記事では現役査定員の筆者が古伊万里大皿の相場について徹底解説します。
是非、最後までお読みください。
関連記事:佐賀県伊万里市の買取おすすめ店舗TOP5|伊万里焼の買取も
1:【2024年最新】古伊万里の大皿の相場一覧
結論からお話すると、古伊万里の相場は一概に「〇〇円くらい!」とは言えません。
というのも古伊万里の大皿の相場は、以下の要素によって大きく左右されるからです。
実際の買取市場での相場は数千円から数十万円までの幅広い価格帯です。
というのも、有名作家が手掛けたものは100万円前後の価値が付くこともあれば、大衆的に普及していた古伊万里であれば数千円程度にしかならないからです。
例えば、有田焼の有名作家である酒井田柿右衛門の大型作品であれば100万円前後の価値がつき、さらにその保存状態がよければ更なる高額が期待できるでしょう。
また、伊万里焼の中でも初期に制作された「古伊万里」に関しては希少性が高く、買取価格も高くなる傾向にあります。
本章では2024年8月現在での取引価格から古伊万里の大皿の買取相場を読み解いていきます。
1-1:江戸期の古伊万里
江戸期 古伊万里 染付 1尺5寸 約47cm 14,500円
画像参照:ラフジュ工房
江戸期 古伊万里 染付 山水 龍 波 1尺5寸 約47cm 大皿 35,000円
画像参照:ラフジュ工房
江戸期 太明成化年製 上手物 古伊万里 色絵 染付 鳳凰 1尺5寸 約46cm 64,000円
画像参照:ラフジュ工房
1-2:江戸~明治の古伊万里
江戸〜明治 冨貴長春 古伊万里 金彩 色絵 染付 約26cm 8.4寸 30,000円
画像参照:ラフジュ工房
極上品! 江戸期 古伊万里 金彩 色絵 錦手 獅子 鳥 花文 1尺5寸皿 約46.5cm 63,900円
画像参照:ラフジュ工房
今回はラフジュ工房を参照にいくつか紹介させていただきましたが、デザインの緻密さや状態、大きさによって買取価格が変動すすることがお分かり頂けたかと思います。
2:高く売れる古伊万里大皿の4つの特徴
次に、高く売れる古伊万里大皿の特徴を4つ紹介します。
2-1:初期伊万里
古伊万里の中でも、伊万里焼が作られ始めた1610年代~1640年代頃のものを「初期伊万里」と呼びます。
初期伊万里は市場の出回りが比較的少なく、希少性が高いため高値が付きやすいのです。
初期伊万里は直径よりも高台径が小さく、絵柄は青一色の素朴であるものが多いのが特徴です。
2-2:柿右柿右衛門様式の古伊万里衛門様式の古伊万里
柿右衛門様式は初期伊万里の50年後の1660年代に生産された古伊万里です。
「柿右衛門赤」と呼ばれる深い赤色が用いられた鮮やかな色合いと細かい装飾が特徴で、磁器には、花鳥風月の絵柄が多く見られます。
柿右衛門様式の古伊万里は、特にヨーロッパ市場で高く評価され、多くの輸出がありました。
これにより、古伊万里の名が広まり世界中でその骨董的価値が認識されるようになりました。
2-3:金襴手様式の古伊万里
金襴手様式は1690~1740年にかけて生産された古伊万里です。
金襴手は色絵磁器の一種で、釉薬がかけられた磁器の表面に絵付けが施される技術が用いられており、色彩豊かで精緻なデザインを実現しています。
金襴手様式は、伊万里焼がヨーロッパに輸出される際に非常に人気がありました。豪華で美しいデザインは、当時の貴族や富裕層に好まれ、需要が高かったことから、このスタイルが発展しました。
2-4:裏印(落款・陶印)がある
古伊万里の高台内に裏印(落款・陶印)があるものは高額買取されやすいです。
価値の高い古伊万里全てに裏印があるわけではないものの、優れたものについては買取額に反映されます。
例えば、裏面に『福』が描かれたものは現在柿右衛門窯が商標登録しており、価値が高い古伊万里である可能性があります。
有名な窯の古伊万里にはこのようにサインがあり、裏印から判別されます。
中には作品の世界観を踏まえて敢えてサインがない作品もありますが裏印がないからといって価値が無いわけではありません。
3:古伊万里大皿買取におすすめの店舗ランキングTOP5
本記事を読んでいる方の多くは古伊万里大皿の買取を検討している方も少なくないはず。
そこで、本章では古伊万里大皿の買取で現役査定員の筆者が本当におすすめしたい業者をランキング形式で5つ紹介します。
1位:日晃堂
日晃堂は全国区に出張買取エリアを持つ骨董品買取専門の業者です。
しかしながら、佐賀県内には店舗を持たず、店舗の展開は大阪府と横浜市のみです。
しかしながら骨董品買取実績は約600点以上にものぼり、「三川内焼」や「波佐見焼」などの焼き物から、伊万里焼や有田焼、唐津焼などの陶磁器製品などの買取事例が多く存在します。
日晃堂の買取実績を見る
また日晃堂には、各ジャンルごとに専門査定員が在籍しており、長崎県全域が無料出張買取の対応地域となっているため出張買取を検討している方にはかなり利用がしやすい業者と言えます。
会社名 | 株式会社 日晃堂 |
本社 | 横浜本社 〒221-0031 横浜市神奈川区新浦島町1-1-32 Aquaria Tower Yokohama 1F |
事業所 | 大阪事業所 〒540-0028 大阪市中央区常盤町1-4-3 ライオンズマンション東本町101 |
電話番号 | 0120-961-491 |
営業時間 | 9:00~19:00 |
事業内容 | 骨董、掛軸、絵画その他買取業 |
古物商許可証 | 大阪府公安委員会許可 第621120162025号 |
日晃堂で買取してもらう
2位:買取専門店くらや佐賀店
買取専門店くらやは日本全国に13店舗を展開する新しいもの・古いもの、どんなお品も対象に鑑定する買取専門店です。
貴金属・ブランド品買取をはじめとし、 古物・切手の買取・骨董品の買取に注力しています。
以下の品目の商品を買取してもらうことができます。
- 骨董品
- 日本刀・鎧兜
- 高級洋食器
- 珊瑚
- 日本切手・外国切手
- 鉄瓶・銀瓶
- カメラ
- ブランド品
- 古銭・古紙幣
- 古いおもちゃ
- ブランド家具
- ブランド時計
- 勲章
- 着物・小物
- 金・プラチナ
- 書画・掛け軸・絵画
- 書道具・香道具
- ダイヤモンド
- 茶道具・煎茶道具
- 鉄道模型
- 翡翠・琥珀・鼈甲・象牙
佐賀県内には買取専門店くらや佐賀店があり、2018年にオープンした店舗で南部バイパス沿いに位置します。
住所 | 〒840-0023 佐賀県佐賀市本庄町袋297-1 |
フリーダイヤル | 0120-322-510 |
電話番号 | 0952-97-8622 |
営業時間 | 10:00~20:00 |
定休日 | 水曜日【年末年始休業】12/30~1/4 |
駐車場 | 3台 |
Google口コミ | 4.0(9件の口コミ)※2024年8月現在 |
買取専門店くらや佐賀店で買取してもらう
3位:古美術寿永堂
古美術寿永堂は出張買取をメインに買取を行っている骨董品専門の買取業者です。
出張買取を検討される場合にはお問い合わせフォームからの連絡が必須です。
主に兵庫、大阪、京都、奈良、滋賀、和歌山などの近畿地方を中心に出張買取を行う業者ですが、佐賀県内の場合は以下の地域にて出張買取が可能です。
- 佐賀県佐賀市
- 唐津市
- 鳥栖市
- 多久市
- 伊万里市
- 武雄市
- 鹿島市
- 小城市
- 嬉野市
- 神埼市
- 吉野ヶ里町
- 基山町
会社名 | 株式会社 萬歳 |
店舗名 | 古美術 寿永堂(じゅえいどう) |
所在地 | 〒659-0022兵庫県芦屋市打出町2-12 |
TEL | 0797-22-8388 |
古物営業法に基づく表記 | 兵庫県公安委員会許可 第631100700042号 |
特別国際種事業者番号 | 第01845号 |
事業内容 | 1.古物売買 2.美術品・骨董品・茶道具・絵画・宝飾品・時計等の販売 3.前各号に付帯する一切の業務 |
古美術寿永堂で買取してもらう
4位:古美術聖陽堂
古美術聖陽堂は佐賀県佐賀市にある美術品・骨董品の買取店舗です。
『価値ある物の橋渡し』を理念とし、インスタグラムにて買取を行った品々を紹介しているので利用を検討する方は一度チェックしてみましょう。
以下の品目の商品を買取してもらうことができます。
- 日本 近代陶芸
- 日本美術
- 古陶磁
- 日本 煎茶道具
- 朝鮮美術
- 中国美術
- 中国現代陶芸
- 中国 煎茶道具
- 中国書画
- 文房具 文房四宝
- 仏教美術
- 蒔絵作品
- 絵画 洋画 油彩
- 日本画
- 版画 浮世絵
- 金工作品
- 鎧 甲冑 兜
- 刀剣
- 鍔 刀装具
- 西洋美術
- 西洋ガラス
- 古代ガラス
- 和ガラス
- 茶道具
- 和楽器
- 勲章 古銭
- 軍隊物 ミリタリー
- 切手
- 彫刻
- 貴金属
- その他 リサイクル品等
住所 | 〒849-0917 佐賀県佐賀市高木瀬町長瀬1001-6 102 |
電話番号 | 090-2508-1414 |
営業時間 | 10:00~17:00 |
定休日 | 日曜日 |
Google口コミ | なし(2024年8月現在) |
古美術聖陽堂で買取してもらう
5位:古美術風来坊
古美術風来坊は長崎県と佐賀県を中心に美術品・骨董品の買取を行う業者です。
書画・茶道具・煎茶道具・古陶磁器・武具・日本刀・現代工芸・中国美術・朝鮮美術を始めとした商品を幅広く買取できます。
骨董買取のほか、毎月2回、古美術業者、外国人バイヤーが多数集う古美術オークションの開催も行っており独自の販売ルートを確立しています。
住所 | 〒849-0913 佐賀県佐賀市兵庫町大字渕1409-2 |
電話番号 | 0952-30-2892 |
営業時間 | 11:00~18:00 |
定休日 | 不定休(毎月5日・16日は定休日) |
古美術風来坊で買取してもらう
4:古伊万里でよくある質問
最後に、古伊万里についてよくある質問に現役査定員の筆者が回答していきます。
古伊万里について疑問が未だ残る方はここで解決していきましょう。
Q1:古伊万里はなぜ高い?
古伊万里が高いのは、歴史的価値が高い上にその古さから現存数が少なく、年々希少価値が高まっているからです。
Q2:古伊万里の本物と偽物の見分け方は?
古伊万里には偽物も存在します。
古伊万里の購入を検討される方は以下の見分け方を把握しておきましょう。
①表面のテカリ
古伊万里の表面には釉薬が塗られており、特有のテカリが見られます。
そして釉薬は経年変化によって作成時よりも柔らかな光沢に変化します。
古伊万里であっても光を強く反射している場合は製作から日が浅い偽物である可能性が高いです。
②水平にした時の歪み
古伊万里の偽物は石油やガス、電気を使って焼かれるため水平に置いたときに歪みがありません。
それに対して本物の伊万里焼は、焼き上げる温度を一定にする技術が江戸時代になかった背景から水平にした際に歪みが見られます。
時代背景を踏まえたこのような歪みはコレクターから骨董品の味わいの一つとして好まれます。
③小傷の有無
古伊万里の偽物には経年の小傷がない、あるいは本物を模して故意的に付けられた小傷があります。
それに対して本物の伊万里焼は使用した際の傷や経年による古傷が表面にあります。
また、長い年月をかけて付いた傷は芳香や深さがバラバラであるのが特徴です。
Q3:そもそも古伊万里皿とは?
「古伊万里皿(こいまりざら)」は、江戸時代に生産された伊万里焼きの陶磁器の種類で、特に17世紀から18世紀初世紀頭に作られたものを指します。
特に日本国内での骨董的評価が高く、素地に青色のコバルトで青花(青い絵付け)が描かれることによりシンプルでありながら精緻な美しさが表現されています。
また、赤い顔料(赤絵)で施された装飾もあり色とりどりの華やかなデザインが特徴です。高級なものでは金の装飾が施されることも。
Q4:元禄古伊万里とは?
元禄(げんろく)古伊万里とは、その名の通り江戸時代の元禄(1688年~1704年)に作られた伊万里焼のことを指します。
この時期の伊万里焼きは、中国の影響を受けた華やかな装飾が特徴で、青磁や赤絵(絵付けされた赤色の装飾)、金彩などが施されたものが多いです。そのデザインや技術の高さから、後の時代の伊万里焼きとは異なる独特の魅力を持っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事では古伊万里の大皿の相場について徹底解説しました。
古伊万里大皿の相場は一概に「〇〇円くらい」と言うことは出来ません。
というのも古伊万里大皿は歴史的価値、希少価値、デザイン性、状態、大きさなど様々な要素を踏まえて決定されるからです。
さらに、買取店舗によっても査定の基準は一定ではないため高価買取を考えているのなら、必ず複数の業者に査定をしてもらい、見積りを比較しましょう。
本記事が古伊万里大皿の相場把握に役立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。