純金記念メダル買取ガイド|種類・相場・4つの査定ポイントを解説
この記事を書いた人
足立 美桜
まだ3年の査定歴ではありますが、大学では美術史を専攻し、前職では画商にいた経緯もあり、特に絵画と彫刻の査定に長けています。公正で確かな目でお客様の大切なお品物を一点一点丁寧に査定しています。
「純金製の記念メダルって、高価買取が狙えるのかな?」
あなたは、 「純金記念メダル」 と聞いて何を思い浮かべますか。
東京オリンピックの記念メダル?それとも、会社の創立記念で貰ったメダルでしょうか?
純金記念メダルは、金の中でもっとも純度の高い 「純金(K24)」 で作られた、特別なメダルです。
金は、宝飾品としてだけでなく、資産としても高い価値を持つため、純金記念メダルは、その輝きと価値から、多くの人を魅了してきました。
生前整理や遺品整理で、ご両親がコレクションしていた物が出てきた!という方もいるのではないでしょうか?
しかし、いざ売却しようと思っても、「種類が多くて価値がわからない」「適切な買取価格はいくらなのか」など、疑問をお持ちの方も多いと思います。
そこで、本記事では、そんな疑問にお答えするために、純金記念メダルの基礎知識について解説していきます。
この記事を読めば、お手持ちの記念メダルの価値や買取相場、高価買取のポイントなどがわかり、安心して売却を進めることができるはずです!
是非、最後までご覧ください。
関連記事:【貴金属買取の基礎知識】高価買取のコツと買取業者の選び方を徹底解説
1:純金製記念メダルにはどのような種類がある?
純金記念メダルと一口に言っても、様々な種類が存在します。
本章では、そもそも「純金」とは何を指すのか、純金製の記念メダルの種類、コインや貨幣との違いを解説していきます。
1-1:純金(K24)の記念メダルとは?
「純金」とは、金の純度が99.99%以上のものを指します。
24金・K24と表記されることもあります。
Kは純度を表す24分率であり、K24は24分の24、つまり純金という意味です。
純金は不純物が極めて少ないため、変色や腐食に強く、美しい輝きを長く保つことができます。
純金製の記念メダルは、その素材価値の高さから、コレクターズアイテムとしてだけでなく、資産としての価値も高く評価されています。
1-2:記念メダルが発行される機会
純金製の金メダルは、後世に残るような記念すべき出来事を祝して発行されてきました。
国民の注目を集め、価値も高い純金メダルですが、記念メダルの素材は必ずしも純金とは限りません。
貴重な金属である純金が素材として選ばれるのは、国民的関心の高い出来事であり、その記念的価値をより高めるためと言えるでしょう。
製造も数量限定となる場合が多く、希少性も相まって、その価値はさらに高まります。
【純金製記念メダルが発行される機会】
1-3:記念コイン・記念貨幣との違い
記念メダルと似たものに、記念コインや記念貨幣があります。
どちらも記念として発行されるという点では共通していますが、発行主体や使用用途が異なります。
それは、「コインや貨幣はお金」である点です。
記念コインや貨幣は、各国の造幣局など公的機関のみが発行できる「通貨」としての価値を持ちます。
一方で、記念メダルは装飾品や収集品としての側面が強く、通貨としての価値はありません。
同じ純金製でも、コインや貨幣は発行国の保証が付いた法定通貨として、メダルは歴史的出来事や文化を象徴する記念品として、それぞれ異なる価値を持ちます。
購入や買取を検討する際は、この違いを踏まえて判断することが重要です。
| 記念メダル | 記念コイン・記念貨幣 |
目的と用途 | ・主に表彰や記念を目的として 製造される金属製の記章 ・通貨としての価値はなく、 法定通貨としての使用は不可 | ・記念のために発行されるコイン ・法定通貨としての価値を持つ ・額面の価値があり、 実際に通貨として使用可能 |
製造枚数と 希少性 | ・製造枚数が少なく、特定のイベントや人物を 記念するために限定的に発行される ・希少性が高く、 美術品としての価値が評価されることも | ・一般的には記念メダルよりも 多く発行される ・特定の記念コインは限定枚数で 発行されることもある ・収集価値が高い物も |
デザインと 仕上がり | ・深い彫りや複雑なデザインが施される ・美術品としての完成度が高い | ・流通を目的としているため、 デザインは比較的シンプル ・彫りも浅いことが多い |
2:【純金製】記念メダルの種類と買取相場
それでは早速、代表的な純金製記念メダルの種類と、それぞれの最新の買取相場をご紹介します。
よく買取市場に出回るものを中心に、いくつかピックアップしました。
買取相場は、2024年9月25日現在の金相場を元に出しています。
また、メダルの状態によっても価格は変動するため、あくまでも目安としてご覧ください。
2-1:五輪 オリンピック記念メダル
オリンピック記念メダルは、夏季・冬季オリンピック大会を記念して発行される特別なメダルです。
これらのメダルは、金、銀、銅メダリストに授与されるメダルとは別に、純金製の記念メダルも販売されており、コレクターの間で人気が高いです。
- ミュンヘンオリンピック(五輪)純金 記念メダル・岡本太郎作金メダル K24(純金/24金) ~228,798円
- バルセロナ五輪1992年記念 記念メダル(K24/20.3g) ~271,634円
2-2:EXPO 万国博覧会記念メダル
万国博覧会記念メダルは、国際博覧会(万博)を記念して発行される特別なメダルです。
これらのメダルは、開催された万博のテーマや象徴を反映したデザインが施されており、収集家や歴史愛好家にとって貴重なアイテムとなっています。
最初の万博は1851年にロンドンで開催され、その後も世界各地で定期的に開催されています。
日本では、1970年の大阪万博が特に有名で、この時に発行された記念メダル(K18)は多くの人々に収集されています。
- 世界・炎の博覧会記念 記念金メダル(K24/30.8g) ~412,134円
- 北九州博覧祭2001記念 公式記念メダル(K24/20g) ~267,620円
2-3:天皇陛下記念メダル
天皇陛下記念メダルの純金製メダルにはいくつかの主要な種類があります。
それぞれのメダルには独自の特徴と歴史があります。
以下に代表的な純金製記念メダルを3つ紹介します。
■天皇陛下御訪欧記念メダル
昭和46年(1971年)に、昭和天皇の即位後初の外国訪問を記念して発行されました。
天皇が訪れた7ヵ国の名が英語で刻まれています。
純金製、純銀製、純プラチナ製の3種類があり、純金製は直径28ミリ・重さ13.8gのものが3000個、直径45ミリ・重さ54gのものが1000個発行されました。
■天皇陛下御即位五十年記念メダル
昭和天皇の即位50周年を記念して、昭和51年(1976年)に発行されました。
京都御所紫宸殿での即位大礼がデザインされており、純金製で、直径35ミリ・重さ30gです。
■天皇陛下御即位令和奉祝記念メダル
日本で最高額の記念メダルと言われるほど、数ある皇室関連メダルの中でも、全国でわずか10個しか存在しない超限定品です。
令和元年(2019年)に発行された純金製のメダルは、直径100mm、重量800gという圧倒的な存在感を放ちます。
2019年当時の販売価格は810万円でしたが、現在の高騰する金相場と希少性を考慮すれば、その査定額は想像を絶する高値となるでしょう。
- 天皇陛下御訪欧記念メダル(K24/13.8g) ~184,657円
- 天皇陛下御即位五十周年記念メダル(K24/30g) ~401,430円
- 天皇陛下宝祚五十年記念(昭和) 記念金メダル(K24/30.3g) ~405,444円
- 天皇陛下御在位記念(昭和) 御在位50年記念 金メダル(K24/35.1g) ~469,673円
天皇陛下記念メダルには「御即位記念五十年記念メダル」1つとっても、様々な大きさ・デザイン・重さのメダルが展開されているので、ご自身がお持ちのメダルの種類や価値を見極めることが大切です。
■天皇皇后両陛下金婚式 奉祝金メダル(K24/20g) ~267,620円
2-4:プロ野球記念メダル
プロ野球記念メダルは、プロ野球の特定の出来事や記念すべき瞬間を祝うために発行されるメダルです。
これらのメダルは、主にチームの優勝や特定の選手の功績を記念して発行され、ファンやコレクターにとって貴重なアイテムとなっています。
例えば、阪神タイガースが2003年にセ・リーグ優勝を果たした際には、純金製のメダルが発行されました。
80個限定で価格は88万円で販売されましたが、金価格の高騰と希少性から現在は100万円前後で買取が行われています。
- 中日ドラゴンズ優勝記念純金メダル1988年(K24/5.5g) ~73,596円
- 阪神タイガース2003年セ・リーグ優勝記念メダル(K24/35.5g) ~475,026円
2-5:国鉄・JR記念メダル
国鉄・JR記念メダルは、日本国有鉄道(国鉄)やJRが発行した記念メダルです。
特に有名なのは、鉄道開業100年を記念して1972年に発行された「鉄道開業百年記念金メダル」です。
純金製で、83g・27g・13.8gと3つの重量で展開されています。
このメダルは、1872年に新橋と横浜間で日本初の鉄道が開通してから100年を祝うために作られました。
国鉄・JR記念メダルは、数量限定で発売された希少性の高い物が多く、鉄道ファンからのコレクター需要も高い為、プレミア価格で取引されることもあります。
- 鉄道開業百年記念 記念金メダル(K24/27g) ~361,287円
- 上越新幹線開業記念 記念金メダル(大宮-新潟)(K24/10g) ~133,810円
3:純金の記念メダルの買取価格を決めるポイント
大切にしていた純金の記念メダル、できるだけ高く買取してほしいですよね。
本章では、純金製メダルの査定額を左右するポイントをご紹介します。
3-1:純金としての価値
純金記念メダルの買取価格は、まず金そのものの価値によって決まります。
よって、メダルの重さや純度、その日の金相場によって買取価格が変わるのです。
少しでも高く純金メダルを売却したいと考えるなら、日々の相場チェックは欠かせません。
最新の買取相場は、貴金属買取業者のウェブサイトや専門の相場情報サイトで確認することができます。
これらのサイトでは、金の1gあたりの価格や、過去の価格推移などをわかりやすいグラフ等で確認することができます。
金の価格が高騰している今、購入時よりも高く買取してもらえる可能性は非常に高いと言えるでしょう。
こまめにチェックして、相場の動きを把握し、絶好のタイミングで売却しましょう!
3-2:メダルとしての希少価値
純金記念メダルの価値は、金相場だけでなく、そのメダルの希少価値によっても大きく左右されます。
例えば、発行枚数が少ないメダルや、人気が高いデザインのメダルは、高値で取引される傾向にあります。
また、保存状態が良いものほど、高値がつきやすいです。
コレクター需要が高いメダルは、説明書や保証書、ケースなどの付属品の有無も査定額に影響を与えるでしょう。
できるだけ購入時のまま保管しておくことをオススメします。
Q.スポーツ大会などの表彰メダルは買取してもらえる?
結論から申し上げますと、表彰メダルは買取してもらえない場合が殆どです。
スポーツ大会のメダルは、金色の輝きを持つものの、多くは金メッキが施された銅や鉄製のメダルです。
金メッキは、安価な金属に薄い金の層をコーティングする技術で、見た目は本物の金に似ていますが、素材としての価値は大きく異なります。
金メッキメダルは、買取市場ではほとんど価値がないとされています。
貴金属の買取価格は、金の純度と重量が重視されるため、薄いコーティングであるメッキは評価対象外となるからです。
しかし、だからといってメダルの価値が低いわけではありません。
メダルの真の価値は、競技に挑んだ努力や達成感、その背景にある物語にあります。
手放す際には、素材としての価値ではなく、かけがえのない思い出として、どのように保存・継承していくかを考えることが大切です。
4:純金記念メダルが本物か確かめる4つの方法!
純金記念メダルは、高価なものが多いため、残念ながら偽物が出回っているのも事実です。
前述した通り、メッキ製品である可能性も非常に高いです。
ここでは、お手持ちのメダルが本物の純金かどうかを確かめる方法を4つご紹介します。
4-1:刻印を確認する
刻印とは、製品に含まれる貴金属の種類や純度を示すもので、買取査定の重要な判断材料となります。
例えば、金メダルの場合「K18」「K14」「K10」といった刻印がよく見られます。
これは、1章で解説した純度を表しており、「K18」は18金で金含有量75%、「K14」は14金で58.5%、「K10」は10金で41.7%となります。
一方、純金の刻印は「K24」で、金含有量はほぼ100%です。
「純金」「1000」「999.9」という刻印が刻まれている事もあります。
また、ホールマークという種類の刻印にも注目してみましょう。
一般的な刻印は製造業者自身が行うのに対し、ホールマークは国や公的機関が定める厳しい基準をクリアした製品にのみ、第三者機関によって刻印されます。
日本のホールマークのデザインは、日の丸+純度を表すひし形の中の数字で構成されています。
特に天皇陛下記念メダルに多く見られる刻印です。
■天皇皇后両陛下御結婚満50年祝賀 昭和49年 奉祝・金婚式記念 31.6g金メダル K24
金メダルの中には、刻印のない物も存在しますので、刻印が無いからと言って必ずしも偽物というわけではありません。
しかし、1つの指標として事前に確認することをオススメします。
【Point】金メッキの刻印も確認しておこう!
GP、M・1M・3M・5M、1/10、1/20、GE・GEP、HGE
以上の刻印が施されているメダルはメッキ製品である可能性が高いです。
残念ながら、買取市場では殆ど値段が付きません。
4-2:磁石を近づける
金は磁石に反応しない金属です。
純度99.99%以上と言われる「純金製」のメダルであれば、まず磁石にくっつくことはありません。
磁石にくっつく場合は、偽物の可能性があります。
しかしながら、銅・銀・アルミなど、金以外にも磁石に反応しない金属は数多く存在します。
上記のような金属が混ざっている場合は、たとえ反応しなくても純金とは言えません。
他の方法と組み合わせることで本物かどうかを見極める必要があります。
4-3:色味を確認する
純金かどうかを見極めるポイントの一つに、色味の違いがあります。
純金は、表面がオレンジ色に近い黄色をしており、深く温かみのある輝きを放ちます。
一方、金メッキは、金と比較すると、より黄色味が強く、ピカピカとした光沢がある点が特徴です。
これは、メッキの工程上、薄い金の層の下に異なる金属が使われているため、その金属の色味が影響しているからです。
また、金メッキは、経年劣化や摩擦によって、部分的に剥がれ、内側の金属が露出している場合があります。
細部まで注意深く観察することで、より確実に判別することができます。
4-4:比重を調べる
「K24と刻印があるけど黒ずんでて純金かどうか怪しい…。」
刻印の純度が本物かどうか見極めるには、メダルの「比重(密度)」を測ることがポイントとなります。
比重とは、ある物質の密度と、基準となる物質(通常は水)の密度の比を表す値です。
金の場合、「金の比重=金の密度と水の密度の比」という計算式で求められます。
この比重は、金属の種類や純度によって変化し、さらに合金の配合によっても幅が生じます。
例えば、純金(K24)の比重は約19.32ですが、金と他の金属を混ぜ合わせたK18の場合、比重は約15.4〜18.5と幅広い数値を示します。
お手持ちの金メダルの比重を把握することで、刻印の真偽を確認したり、刻印がない製品の純度を推測することが可能です。
貴金属買取業者での測定も有効ですが、簡易的な測定器も販売されていますので、お手持ちの貴金属の価値を正しく見極めるために、ご自身でも測っておくことをオススメします。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、主要な純金製記念メダルの種類や最新の買取相場、査定額を左右するポイントや、偽物との見分け方を解説しました。
前述した通り、金相場は世界経済の動向や金需要の増減によって常に変動しています。
近年は、世界的な金融不安やインフレの影響で、金相場が高騰傾向にあります。
買取価格は1gあたり10,000円以上を常にキープし(※2024年9月25日現在)、純金メダルを売却するには絶好のタイミングと言えるでしょう。
貴金属を売却する際には、専門の買取業者を利用するのが1番です。
「買取専門店諭吉」では米国宝石学会認定の「GIA G.G.」資格保有者がスタッフを教育し、他店にないトップクラスで信用・安心できる査定をしています。
長崎県に6店舗、福岡県に1店舗展開しており、店頭買取は勿論、宅配買取や出張買取での対応も可能です。
また、全国47都道府県、毎月40か所以上の公共施設やスーパー等で催事買取も実施中!
プロの査定士がお客様の目の前で、1点1点丁寧に査定し、その場で即現金化いたします。
ご自宅に眠っている金や貴金属があれば、無料査定だけでも可能ですので是非ご利用ください。
■関連サイト:買取専門店諭吉「催事会場をご用意し、買取を行います」
■買取実績:徳島県美馬市にて【天皇・皇后両陛下金婚式記念メダルと鉄瓶2つ】を福岡の諭吉が催事買取させて頂きました!
金の相場は常に変動するものであり、未来を正確に予測することは不可能です。
お手持ちの純金製記念メダルを売却しようか迷っている方は、最新の情報収集を怠らず、ご自身の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。
ぜひこの記事を参考にして、純金メダルの売却を成功させましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。